東京高等裁判所 昭和38年(行ナ)67号 判決
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〔事実〕四、本件審決を取り消すべき事由
本件特許発明の明細書の特許請求の範囲の項に審決認定のとおりの記載があることは認める。しかし、特許庁は、昭和四五年一月三一日日、本件特許の訂正審判事件(昭和四〇年審判第六一〇五号)につき、右記載を二項掲記のとおりに訂正することを認める旨の審決をした。したがつて、本件特許発明は、特許法第一二八条により、訂正された明細書によつて出願、公告、登録されたものとみなされる。そして、第一、第二引例にそれぞれ審決認定の記載があることは認めるが、本件特許発明の要旨のうち、(1)「輸送される材料に対するメリック式累加計量装置を具え」(2)「該装置の累算デイスクの一定回転量毎に電気回路を制御し」(3)「該電気回路によつて被輸送材料の排出路中に試料採取器が材料を定量づつ採取すべく送り出される」という構成はいずれも右引用例に記載されていない。本件特許発明は、右各構成を具えることにより、一回の試料採取区間内の輸送量の誤差の累積値を実用上無視することができる程度におさえ、正確にロットの量に比例する試料採取を実現し、これによりロットの品質を精度良く決定できる、というすぐれた作用効果を奏する。したがつて、本件特許発明は旧特許法第一条により特許を受けることができるものであり、本件審決は本件特許発明の要旨を誤認し、その結果引用例との比較を誤つたことに帰するから、違法として取消を免れない。
第三 被告の答弁
原告主張の請求原因事実は全部認める。
〔判決理由〕原告主張の請求原因事実は全部当事者間に争いがない。右事実によれば、本件審決は、原告主張の違法があることが明らかであるから、取消を免れない。
よつて原告の請求を認容………する。
(服部高顕 滝川叡一 奈良次郎)